第1章は「女による女のためのR-18文学賞」受賞作品だそうで、性描写が多い。
でも女による女のためのだから、それほどえげつないわけでもなく。
あ、そんなこともないのかな。
コミケで知り合った主婦と高校生。
それだけでなんだかイヤらしいのだが。
主婦は高校生にコスプレをさせ、自分で台本を毎回書く。
コスプレでって言うのが、なんともイヤらしさが増すような。
なんだかじめじめとした湿り気があるんだな。
高校生からの視点で語られるのが第1章。
第2章の主人公は、高校生にコスプレをさせ関係を続ける主婦。
この主婦、学校でも社会に出てもいじめられっ子で、夫はストーカーっぽいし、姑は
押しが強すぎるし、現実逃避もしたくなるだろうなと思ってしまう。
と章ごとに主人公がかわる連作短編集。
みんな、それぞれ大変なんだな。
主人公が変わると視点も変わるから、前の章ではこんなふうに思われていたけど、
次の章では、実はこういうことだったみたいな。
生きていくのは大変だけど、それぞれの章の主人公みんな、がんばって欲しいなと
応援したくなる。
読んでいて、気が重くなるが、少しずつでもそれぞれの人物に救いがあるところがいい。