バレー部のエース、桐島が部活をやめる・・・って。
それが学校全体に広まったことで、ざわつくある高校の数日間。
それだけの話。
特に何もないからこそ、ちょっとした会話とか表情とか、そういうもの一つ一つに意味があって、
だから片手間に見るべき映画ではないんだなと思った。
桐島君はスポーツもできて、きれいな彼女もいて、学校のスター的存在らしいけど、
結局一度も登場はしない。
桐島が部活をやめることで動揺しまくっているのは、彼女や運動部の人たち。
でも映画部や吹奏楽部の人たちには特には影響ないようで。
そんな感じって、リアルだな。
映画部の神木君が休日、映画館でクラスの女の子に会って、飲み物をおごるんだけど、
下手にカフェとか入らないとことか、ベンチに座ってる女の子が位置を少しずれて、
自分の隣を空けるんだけど、そこには座らず立ってる神木君とか。
バトミントン部の女子が友だちと仲良くはしゃべってるけど、本音は語らないとことか。
学校って狭い社会の中での上下関係。
ちょっと地味な子たちを見下す感じとか。
屋上でひっぱたかれる女子なんて、そんなにかわいいわけでもないのにな。
いや、自分には何もないからこそ、クラスメイトをバカにすることで優越感に浸るのかな。
どの登場人物にも共感できる部分はあるし、高校生の頃を思い出して、ちょっとヒリヒリするような
そんな映画。