湊かなえ「ユートピア」読みました。

主要人物3人とも「わかるな」。

わかるだけに読んでいて、痛かった。

 

今の自分の状況に満足しようとがんばってみるものの、誰かと比べてしまったり、

他人の評価が気になったり。

 

自然豊かな地方の町が舞台。

その町で生まれ育ち、地元の商店街の仏壇屋に嫁いでいる菜々子。

都会から夫の転勤に伴いやってきた社宅住まいの光稀。

学生時代の恋人と新興住宅地に暮らすアーティストのすみれ。

地域興しの祭りをきっかけに知り合う3人。

 

3人に共感できるところはあるけれど、すみれが菜々子の足の不自由で車いす生活を送る

娘のために光稀の娘が書いた詩に感銘を受けて、自分の作品の売り上げを寄付しようと

思いつくあたりは理解できない。

どう考えても売れないアーティストの売名行為としか受け取られないんじゃないか。

子どもたちもすみれに利用されただけとしか思えないし。

親たちもそれに乗っかるかな。

浅はかすぎる。

 

菜々子の娘と光稀の娘が誘拐されたことで大きく話が動くが、送られてきた脅迫状を見て

そこに記された「金」が「かね」ではなく、菜々子の失踪した義母が残した「金(きん)」

のことだと思いつくのも不自然。

すみれの工房が火事で燃えて、そこから娘たちも見つかり、さらにはそこから

数年前に町で起こった金(きん)目当ての殺人事件の犯人の一人の遺体も発見される。

殺人事件の共犯者がすみれのパートナーで、被害者が菜々子の義母の不倫相手ではないかと

思われるけど、結局真相はわからない。

 

娘たちを誘拐したのはすみれのパートナーだったが、娘たちも無事だったし、

誘拐されたと知ったら、娘たちが傷つくし、世間に誘拐事件の被害者とさらされるのも

嫌だから、このことは菜々子夫婦と光稀夫婦だけど秘密にしておきましょうということになる。

しかし、最後の光稀の娘の日記から、実は娘たちも誘拐に加担していたことがわかるし、

火事を起こしたのは光稀の娘だとわかる。

日記は今後誰かに見つかるかもわからないし、ずっと誰の目にも触れないかもしれない。

誘拐は娘たちのためだということになっているが、真相はやっぱり菜々子の義母が残した

金のためなんだろう。

 

菜々子の娘は歩けるようになるが、娘の足が不自由だったときは子育てに協力的だった夫が

急に家庭をかえりみなくなる。

すみれは大学時代の同期の軽井沢の工房を受け継ぐことになり、光稀は夫の新たな赴任地タイに

ついていくことになり、町を去るけれど町がユートピアでならなかったように、軽井沢やタイが

ユートピアになるとは限らない。

幸せはどこにあるのか、何が幸せなのか。

でもストーリーとしてはなんだかはっきりしないな。

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毎日疲れ気味。
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